ー彼女の目が問いかけている
僕は答えなければー
「きみの瞳(め)が問いかけている」
不慮の事故で視力を失った女性と過去の罪に囚われたボクサーの純愛ラブストーリー。
チャップリンの名作「街の灯」をモチーフにした韓国映画「ただ君だけ」をリメイク。
監督は「ソラニン」「ホットロード」「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」の三木孝浩監督、吉高由里子、横浜流星がW主演を務め主題歌をBTSが担当。
塁のあの影のあるキャラクターは目で演じなければならないし肉体的にも難しい役どころです。
このタイプの男を演じさせたら右に出る者はいないソ・ジソプの哀愁と男らしさを横浜流星さんが、ハン・ヒョジュのあのひたむきに健気に生きる美しさを吉高由里子さんがどう演じるのか、韓国版ファンとしては不安もありましたが
もうめちゃめちゃよかった。
韓国版のファンや「またこの手の物か」と視聴を迷っている人こそ観て欲しいですね。
三木監督には、ただただ感謝だし吉高由里子さんと横浜流星さんは本当に素晴らしかった。
<引用元:映画『きみの瞳が問いかけている』 公式サイト>
監督は塁は横浜流星しかいないとオファーしたといいます。
塁を演じるにあたり流星さんはジムに通い10kg増量。
もともと極真空手の世界大会で優勝した経歴を持つ流星さんは空手の癖を封印するのに苦労したようです、この役にかける意気込みは体作りからもあの凄まじい試合のシーンを観ても伝わりました。
吉高さんの演じた明香里は韓国版よりも柔らかく穏やかで、それが横浜流星さん演じる塁とピタリとハマった。
<引用元:映画『きみの瞳が問いかけている』 公式サイト>
そしてBTS「Your eyes tell」がエンドロールで流れたらこんなん魂ごと震えました。
ちなみに最初のサビの高音は
見つめてる~♪→ジョングク
真っ直ぐに~♪→ジミン
です。
「君の瞳が問いかけている」満足度
キャスト | |
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ストーリー | |
満足度 | |
「きみの瞳が問いかけている」作品情報
●上映時間 123分
●公開 2020年
●監督 三木孝浩
●キャスト
吉高由里子
横浜流星
やべきょうすけ
田山涼成
町田啓太
岡田義徳
野間口徹
風吹ジュン
「きみの瞳が問いかけている」あらすじ
目は不自由だが明るく愛くるしい明香里(吉高由里子)と、罪を犯しキックボクサーとしての未来を絶たれた塁(横浜流星)。小さな勘違いから出会った2人は惹かれあい、ささやかながらも掛け替えのない幸せを手にした──かに見えた。
ある日、明香里は、誰にも言わずにいた秘密を塁に明かす。彼女は自らが運転していた車の事故で両親を亡くし、自身も視力を失っていたのだ。以来、ずっと自分を責めてきたという明香里。だが、彼女の告白を聞いた塁は、彼だけが知るあまりに残酷な運命の因果に気付いてしまっていた──。
<引用元:映画『きみの瞳が問いかけている』 公式サイト
ここからネタバレ注意です
「きみの瞳が問いかけている」ネタバレ感想
劇中ボディーブローのように効いていたシェイクスピアの「ロミオとジュリエット」から引用したというタイトル。
主人公のロミオの切ない想いを表したセリフです。
罪を犯して服役していた塁と4年前の事故で両親を失い視力をも失ってしてしまった明香里。
勘違いで出会った2人が少しづつ距離を縮め惹かれ合い優しい時間が流れ始めます。
過去の罪から明香里の瞳をまっすぐに見ることができない塁。そんな塁を優しく包み込む明香里。
2人の距離感が遠いようで近く近いようで遠い。
彼女が事故を起こした原因が自分にあると知ってしまった塁は明香里の目の手術費用を残してそっと姿を消してしまうのです。
韓国版との違い
驚いたのは韓国版にかなり忠実にリメイクされていたこと。
主人公の家の雰囲気や犬の名前も。
大きな違いはなくというところですが、細かいところでいえば
塁はおじいさんと勘違いされましたが、韓国版はおじさん。
塁の生い立ちも少し違います。
あと韓国版には塁の手にタトゥーはありません。
韓国版の明香里はもっと気が強い。
火だるまになった人物は韓国版では生きていて塁の友人となっています。
韓国版の塁は右半分に傷が残っていて声も出ない。
最後海に入って行くという設定はありません。
ラスト解釈 ハッピーエンドか?
「街の灯」をモチーフにしたとされているのであれこれ考えてしまいますが、日本版のラストは幻想説を完全に打ち消してくれました。
そして三木監督自身もアンハッピーエンド説が流れていることに驚いたと話されていたので、これは
ハッピーエンドです。
自分の犯した罪を咎めながら生きてきた塁。
明香里もまた自分を許すことをしなかった1人でした。
この物語のテーマ「許し」は塁と明香里の新たなスタートであり
「ただいま」
この言葉が答えを探し続けた塁の答えではないでしょうか。
驚くことにあのラストのシーンは最初の頃に撮影したようです。
ラストの名シーンが序盤に撮られている作品って結構あるあるですよね。
まとめ
三木監督や主演2人の意気込み、想いが伝わる繊細で眩しい作品でした。
お読みいただきありがとうございました。